食べ放題は儲かるのか?
先日、買い物に出かけた際、レストラン街で食べ放題のお店が何軒か行列になっていました。ここで気になるのが、食べ放題は儲かるのか?です。まずは味・サービスが一番大切だと思いますが、今回は会計面から考えてみたいと思います。
食べ放題の原価
食べ放題の原価を考えると、主には材料費・人件費・家賃・光熱費・(内装・設備の)減価償却費等々の発生が考えられます。この費用を、売上(客の食べる量)に応じて変動する変動費か、変動しない固定費に分けて考えると、ざっくり言うと材料費は変動費ですが、ほかの大部分の経費は固定費になります。
食べ放題のお店でお客さんが追加注文した際に、お店側に追加で発生する費用は、変動費(主に材料費)です。一般的に飲食店の売上に占める材料費率は3割程度と言われています。お客側は、メニューに記載された値段ベースで考えますが、お店側が追加負担する費用は売価の3割程度の材料費です。
例えば、焼き肉食べ放題で、最初のセットに追加で売価700円相当のお肉を5人前食べたとします。売価ベースだと3,500円追加で食べたことになり、お客さんはお得な気持ちになります。一方、お店側では1,050円(3,500円×3割=1,050円)の追加負担で済みます。この金額の差が、食べ放題をお得に感じる秘密です。お店が赤字になるまで食べようと思うと、相当食べないといけないことがお分かりいただけると思います。
食べ放題でお得感を演出、たくさんをお客さんを集めることができれば、儲かるでしょう。
食べ放題は無敵?
食べ放題でたくさん食べても、お店を赤字にするのが難しいなら、食べ放題は無敵か?となります。ですが、残念ながら無くなるお店もたくさんあるのも事実です、それはなぜか?
これは普通の飲食店と同じで、お客さんが来てくれないと経費が払えなくて赤字で潰れます。先ほどは、変動費についてご説明しましたが、ここでは固定費が問題となります。お客さんが来なくても、家賃や人件費は発生しますし、ビュッフェ形式の場合は一定量の料理を用意する必要があるため、コストがかかります。費用を上回る売上がなければ、営業は続かないですよね。
付加価値も大切
自分で書いておきながら、会計的に原価等を考えすぎるのは、あまり良くないかもしれません。料理は仕入れた材料に、調理技術やサービス等の付加価値を付けて提供されています。原価だけでなく、数字に表しにくい付加価値にも注目する必要がありますね、楽しいお食事を。